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執筆者の写真日本自治委員会

【議長談話】都立高校における低温下雨天下水泳授業問題に関する日本自治委員会のご報告ならびに見解

この度、2019年6月24日付で当自治委員会が発出した抗議文の中で要求した4項目に対する東京都教育委員会の回答文が、2019年7月2日付で東京都教育庁教育情報課長名で届きました。


文体や内容はすでにTwitter上で公開している通りですが、詳細な報告と、日本自治委員会としての公式見解を申し述べさせていただきたく存じます。


まず、都教委に対して日本自治委員会が発出した抗議文について、ご説明申し上げます。


日本自治委員会では、6月12日に都立小山台高校で行われた低温下水泳授業により、生徒が嘔吐したり、体調不良を起こした件を重く見ていました。同事案がインタースクールジャーナルで報じられるに至った結果、日本自治委員会議長の平松けんじのもとに他校でも同様事例が存在する旨の告発が大量に届きました。当自治委員会としましては、このような現場の都立高校生徒の苦しんでいる状態を見過ごすことは、生徒の自由と人権を擁護する自治委員会運動の活動の趣旨に反するものであると考え、加盟団体である新宿山吹高校自治委員会、稔ヶ丘高校自治委員会、中央高校自治委員会の賛同を得て、都教委への抗議文の発出に至りました。


抗議文の内容は、すでにTwitter等で周知の通りでありますが、都立小山台高校、都立国立高校、都立立川高校を始め、複数の都立高校において、低温下・雨天下の水泳授業が行われ、生徒たちが体調不良や風邪になっているという現状について、都立学校設置者たる都教委に強く抗議し、全都的な調査・点検と、同様事例の再発防止のための指導方針の是正を要求致しました。


日本自治委員会は都教委に対し、抗議文中で4項目の要求を行っています。


1つ目は、小山台高校、国立高校、立川高校の3校の水泳授業の指導方針を直ちに是正させること、というものであります。

これに対し、都教委は回答文で次のように述べています。

<都教委の回答>

◯当該校の水泳授業の実施状況について、聴き取り等により状況を把握しました。

◯文部科学省の「水泳の手引き(三訂版)」を参考として、対象者の学年、能力、水温、気温、学習内容等を考慮して、水泳授業の実施の可否を判断するよう、校長連絡会で改めて周知します。


日本自治委員会としましては、都教委に対し、都立高校3校の指導方針を直ちに是正するよう求めましたが、都教委は指導方針を是正するか否かに関する回答はしませんでした。


続いて2つ目及び3つ目です。2つ目では、都立学校全校において気温及び水温が23度未満の低温下、及び雨天下の水泳授業が行われていないかを調査・点検すること。並びに、万一そういった事例を把握した場合は、これを是正させることを要求しています。今回、都教委は3つ目の要求とセットで答えてきたので、3つ目も連続で読み上げますが、3つ目では都立学校全校において、「水泳実施期間中、雷が鳴っている場合を除き、温度・天候にかかわらず水泳を実施する」運用が行われているかどうかを調査し、存在するようであれば直ちに是正させることを求めています。


これに対し都教委は、次のように回答しています。

<都教委の回答>

◯水泳授業の実施の可否の判断については、対象者の学年、能力、水温、気温、学習内容等を考慮することが大切であり、毎年全都立学校対象のスポーツ施設等安全管理講習会において、文部科学省の「水泳の手引き(三訂版)」の内容を参考として示しています。

◯今後とも、学校経営支援センターと連携し、同様の事例が発生しないよう、引き続き状況把握と学校への指導に努めていきます。


日本自治委員会は抗議文で全都的な調査・点検と是正を求めていますが、これについて都教委は明言しなかった形になります。


その他にも要求の実行状況について、ホームページで公表するよう求める要求に対し、都教委はそのようなことはしていない旨を回答しています。


以上が都教委からの回答文に関する報告になります。


続きまして、これらの都教委の回答文に対する、日本自治委員会の公式見解を申し述べさせていただきます。


日本自治委員会は東京都教育委員会の責任者である教育長名の回答文を要求していましたが、都教委は事務局(教育庁)の課長名で回答文を送付してきました。これは組織の長同士で文書を交わすという抗議文での要求の趣旨に反するものであり、遺憾です。また、回答文の内容も日本自治委員会が要求していた内容に正面から答えるものではなく、残念です。


しかしながら、都教委が『校長連絡会で改めて周知する』『同様の事例が発生しないよう、引き続き状況把握と学校への指導に努める』と回答したことは一定の評価をしたいと考えております。また、体育科の単独判断ではなく、学校組織全体での実施可否の判断を周知してくださったことについては一定の評価をしたいと考えております。


日本自治委員会は、都教委が全都立学校長に周知してくれたことによって都立学校の現場で都立学校生徒たちが安全かつ健康に水泳授業を受けることができるよう水泳授業が改善されることを期待します。今後、気温・水温が23度未満の低温下や雨天下で水泳授業が強行され、生徒が体調を崩すようなことが二度と起こらないよう、都教委には言葉だけではなく、各学校への指導を実施していただきたく存じます。


日本自治委員会は、都教委の周知を受け、各都立学校がどのような対応を今後取っていくのか、独自に情報を収集し、今後とも注視してまいります。今後とも日本自治委員会並びに各自治委員会の活動へのご理解とご支援のほどよろしくお願い申し上げます。


2019年7月6日

日本自治委員会議長 平松けんじ


(担当) 日本自治委員会外務局

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