2020年7月3日
日本自治委員会事務総局
外務局外務第2課
1.概要
当自治委員会が、品川区立荏原第六中学校(以下「当該校」)の正門前において宣伝活動を行っていたところ、同校の伊藤惠造校長が活動員に対し、「少し離れるように」と執拗に求め続け当自治委員会の宣伝活動を妨害したほか、怒鳴りつける、ソーシャルディスタンスを確保せずに立ちふさがる、言いがかりをつけるなどの不適切な行為を行いました。
伊藤惠造校長が行った不適切な行為は次の通りです。
(1) 活動員が再三拒否しているにも関わらず、当該校正門前から少し離れるように「お願い」と称して執拗に求め続け、当自治委員会の宣伝活動を妨害した
(2) 活動員が伊藤惠造校長を撮影した際、「完全に肖像権の侵害ですよね、削除してください」と怒鳴りつけ、威圧した
(3) 活動員の前にソーシャルディスタンスを取らずに立ちふさがり、活動員がソーシャルディスタンスを主張したにも関わらず立ちふさがり続け、挙句の果てには活動員の後方が車道であるにも関わらず「ソーシャルディスタンスを訴えるならあなたが下がればいいじゃないですか」と主張した
(4) 活動員に対し、活動員が意図的に当該校生徒を撮影しようとしていると言いがかりをつけた
2.日本自治委員会の見解
当該校正門前から離れるよう執拗に求め続け、当自治委員会の宣伝活動を妨害したことは、言論・表現活動を不当に妨害する行為であり、公務員による不当な公権力の行使かつ、日本国憲法第21条で保障されている「表現の自由」を侵害する行為です。これは、憲法第99条が定める公務員の憲法擁護義務に反する行為でもあります。
活動員を怒鳴りつけ威圧したことは、公務員が表現の自由権を行使している一般市民を恫喝する行為であり、怒鳴り散らすという威圧的言動を通じ、表現活動を萎縮せしめようとした弾圧行為です。また、公務員に対する撮影行為は、法解釈によって、ほとんどの場合において受忍限度の範囲内とされています。
活動員の前にソーシャルディスタンスを取らずに立ちふさがったことは、新型コロナウイルス感染症の感染対策が求められる現在の社会において、公務員として不適切な行為であり、新型コロナウイルス感染症を活動員に感染させる可能性のある危険な行為です。また、活動員の後方が車道であるにも関わらず、活動員に対して後ろに下がればいいと発言した行為は、活動員に対してみだりに車道に出ることを教唆するものであり、道路交通法第10条第2項に違反する行為を教唆する犯罪教唆です。
活動員が意図的に当該校生徒を撮影しようとしていると言いがかりをつけたことは、公務員が表現の自由権を行使している一般市民に対し、根拠もなく当該校生徒を意図的に撮影していると決めつけ濡れ衣を着せる行為であり、またこれによって表現活動を萎縮せしめようとした弾圧行為です。
日本自治委員会は、品川区立荏原第六中学校当局によるこれらの不当行為について抗議するとともに、同校当局及び品川区教育委員会に対し、弁解・見解を示すよう要求するとともに、謝罪ならびに再発防止を要求いたしました。
(担当) 事務総局外務局外務第2課