2020年7月30日
日本自治委員会
議長 大須賀 太一
2020年7月28日午前8時頃、警視庁碑文谷警察署に勾留されていた、当自治委員会に所属している現役高校生Iさんが処分保留で釈放されましたのでご報告申し上げます。
1.概要
Iさんは当自治委員会活動員として、目黒区立第九中学校(以下「九中」という)付近の公道上において「寒くてもコロナでも(未遂)プール強行」と題した配布用図画文書等(以下「図画文書」という)を配布していた際に、九中副校長・高橋秀一による虚偽の罪状による「私人逮捕」され、20日間に亘り警視庁碑文谷警察署に勾留されていましたが、7月28日午前8時頃、処分保留で釈放されました。
一連の事件に関し、温かいご支援、拡散していただいた方に心より御礼申し上げます。
なお、一連の事案の経緯等について、新たに判明した事項を踏まえ、別紙の通り改めてご報告申し上げます。
以上
◉別紙
目黒区立第九中学校副校長 高橋秀一によるビラまき高校生不当逮捕事案に関する経緯および見解(第2報)
2020年7月31日
日本自治委員会
議長 大須賀 太一
当自治委員会活動員Iさん(現役高校生)が2020年7月8日午前8時、目黒区立第九中学校付近路上において、同校副校長 高橋秀一により「私人逮捕」され、その後20日間不当に勾留された件に関し、新たに判明した事項等も踏まえ、次の通りご報告いたします。(第1報はこちら)
1.経緯
2020年7月8日午前8時頃、Iさんは当自治委員会の活動員として、九中付近の住宅街において、東京都立小山台高等学校が昨年低い気温・水温下で水泳授業を強行し、体調不良者を出したこと及び新型コロナウイルス感染症の感染が終息していない状況下で水泳授業を行おうとしたことについて、批判し、生徒の人権を啓発する図画文書を配布していました。
この際、九中副校長・高橋がIさんに対し、つけまわす、ソーシャルディスタンスを保つよう求めているのにかなりの速さで身体的距離を詰める、怒鳴り散らす等の行為を行いました。
Iさんはこれを受け、妨害行為の証拠を保全する目的で、スマートフォンを用いて高橋の妨害の様子を撮影していましたが、高橋は自らの手をIさんのスマートフォンにわざとぶつけ、「痛てぇ、痛ってぇ~」「打撲した」などと主張し、警察に「Iさんから携帯電話機で殴打された」という主旨の通報を行いました。その後午前8時過ぎに臨場した警視庁碑文谷警察署員7名が、Iさんを同署に連行し、その後、高橋への公務執行妨害の被疑事実で東京地方検察庁に送検しました。
勾留状によると、Iさんは午前8時に高橋に「私人逮捕」(現行犯逮捕)されたこととなっていますが、警察官の臨場までIさんが身柄を拘束された事実はなく、Iさん自身も逮捕されたという認識は警視庁碑文谷警察署内に到着するまでなかった状況です。
その後、東京地方検察庁検察官検事・西川雅也(以下「西川」という)がIさんの勾留および勾留延長を東京地方裁判所に請求し、勾留を同裁判所裁判官・向井志穂が認め(10日決定)、勾留延長を同裁判所裁判官・島田一が認めたため(17日決定)、Iさんは20日間にわたって警察署に勾留されました。
2020年7月17日、Iさんは東京地方裁判所に対し、勾留理由開示請求を行いましたが、同裁判所裁判官・佐藤薫は弁護士から提出された求釈明書に対し、「具体的な証拠にかかわるから答えない」等の答弁を繰り返し、具体的な勾留理由を全く答弁しませんでした。
2020年7月28日、西川はIさんについて、処分保留として釈放を決定しました。
2.当自治委員会の見解
警察当局及び検察当局が主張する被疑事実によると、高橋はIさんに「ビラ配布を注意した」とのことです。しかし、高橋の注意の態様は、前日の配布の際も同様ですが、執拗に配布を妨害するものであり、日本国憲法第21条に定める「表現の自由」に対する侵害行為です。また、Iさんは目黒区立第九中学校の敷地内ではない、同校から少し離れた住宅街の公道上において、平穏に図画文書配布をしていたにすぎません。したがって、高橋による「注意」は、適法な公務とは言えません。
本来逮捕・勾留されるべきは、Iさんの表現の自由を侵害し、自らぶつかってきて撮影を妨害し、そして虚偽の被害申告によりIさんを不当逮捕させた高橋です。にもかかわらず、Iさんが人身の自由を20日間に亘り奪われたことは、不当逮捕であり、人権侵害です。
日本自治委員会は、Iさんを逮捕したとされる高橋、そしてIさんを連行した警視庁碑文谷警察署長・瀧口知之、勾留及び勾留延長を請求した東京地方検察庁検察官検事・西川雅也、勾留請求を認めた東京地方裁判所裁判官・向井志穂および島田一に対し、激烈なる憤怒の意と厳重な抗議の意を表明します。
さらに、勾留理由開示請求において「具体的な証拠にかかわるから答えない」等の答弁を繰り返し、具体的な勾留理由を全く答弁しなかった東京地方裁判所裁判官・佐藤薫に対し、多大なる遺憾の意と厳重な抗議の意を表明します。
また、警視庁碑文谷警察署副署長・松本俊彦は、東京新聞の取材に対し、Iさんを勾留し続けている理由について「黙秘しているから勾留している」と述べていますが。被疑者の黙秘権行使を理由に、不当に長期にわたって人身の自由を侵害することは、被疑者の黙秘権を侵害するものであり、人権侵害です。このような勾留の在り方は、国際的な非難を受けるべきものです。
3.今後の対応について
日本自治委員会は、すでに警視庁碑文谷警察署長瀧口知之に対し、抗議文を発出しています(リンク)が、今後、東京地方検察庁検察官検事西川雅也、東京地方裁判所裁判官向井志穂、佐藤薫、島田一等に対し、抗議文の発出等を行う予定です。このほか、日本自治委員会ではメディアへの情報提供等、一連の問題が子どもの意見表明権の侵害につながりかねないこと、表現の自由を委縮させかねないことから、大々的な社会問題として対応していきたいと考えております。
4. 救援対策本部の解散について
日本自治委員会は、Iさんの身柄奪還を受け、救援対策本部を解散し、救援活動に係る今後の事務処理および今後の対応について、事務総局外務局において取り扱うことといたしました。皆様からいただきました救援カンパに関しましては、弁護士費用に充当する方向で会計処理させていただき、こちらのホームページ上で会計報告をさせていただきたいと考えております。
以上
お問い合わせ先
日本自治委員会事務総局外務局
外務第1課 司法公安担当
※件名欄に「外務1課司法公安担当あて」とご記載ください。
Comments